拙作(#hhgkx2l0rj)を作っていたときにわかったことのまとめ。銀歩送りとは何かみたいな初歩的な話は省略。検証不十分ゆえ内容には誤りがあるかもしれません。あしからず。
(1) 攻方27銀/玉方17玉,19金 → 7枚
基本形。この形から逆算して歩の消費枚数を伸ばしたいところだが、逆算のバリエーションが限られるため一段上にずらした形(2)の方がポピュラーな印象。
(2) 攻方26銀/玉方16玉,18金 → 6枚
最頻出形。26銀を持駒にして攻方39馬を配置し、17馬同玉26銀16玉と進めるのが将棋妙案第71番に遡る由緒ある手順。他にも攻方38飛/玉方17玉19金の形から26銀16玉18飛同金で合流させるなど、逆算素材として使いやすい。
(3) 攻方持駒銀/玉方11玉,16金 → 8枚
銀が持駒に入ると11玉の形から玉頭に歩を連打して玉を吊り上げ、銀歩送りで引き戻すという手順ができる。守備金の位置が17以遠だと16歩打ちに14玉と引かれ、以下15銀13玉24銀22玉23銀成31玉で詰まない。往復によって消費枚数を伸ばせるが片道距離が短いため(1)から1枚しか増えない。
(4) 攻方持駒銀, 待ち駒/玉方11玉, 17金 → 9枚
(3)で31の地点に逃げられないようにする、あるいは逃げられた時に詰むようにする駒(待ち駒)を置けば、金を一段上にずらせる。片道距離が一段伸びるため往復で歩を2枚消費できるが、(1)-(3)と違って13の地点で金銀交換して詰むので、消費枚数は正味プラス1枚。待ち駒は上図43桂の他にも色々バリエーションがある。このパターンの難点は詰め上がりで待ち駒が遊ぶこと。主題が他にあるならまだしも、銀歩送り自体が主題だとこの遊び駒は痛いと思われ。
(5) 攻方持駒銀/玉方11玉、16馬、18金、51香、53銀 → 13枚
ここからはややこしくなるので手順も。
12歩同玉13歩同玉14歩同玉15歩同玉24銀14玉15歩同馬23銀生13玉14歩同馬同銀成同玉32角15玉16歩同玉43角成17玉53馬同香26銀以下55手。
馬を守備駒に加えることで銀歩送りの回数を増やせる。仕組みとしては、1回目の銀歩送りで銀と馬を交換し、入手した角を打って銀を食いちぎり、入手した銀を打って(2)に合流し、2回目の銀歩送りをするというもの。53銀に紐を付ける駒は51香以外も可。
(6) 攻方持駒銀/玉方11玉、16馬、18金、52銀、53成銀 → 15枚
12歩同玉13歩同玉14歩同玉15歩同玉24銀14玉15歩同馬23銀生13玉14歩同馬22銀生12玉13歩同馬同銀成同玉31角14玉15歩同玉42角成16玉17歩同玉53馬同銀26銀以下61手。
(5)では14の地点で清算して32角と打っていたが、このケースでは13の地点で清算して31角と打っている。馬のラインが(5)より一段下になるため、歩の消費枚数を2枚増やせる。(5)と違って53成銀への紐は52銀でなければならない、というのも上記手順中17歩に対して同金と取られる変化で52馬とこちらの銀を取る手が必要だから。
(5)とも共通するが、質駒の銀は4筋または5筋に配置する必要がある。6筋以遠だと4筋に成った馬をそのまま上段に引いて詰んでしまう。また、31角打ちに代えて22角打ちの場合に12玉で耐える必要があるので、(4)のように31に利く待ち駒があると、22角12玉には13歩〜31角成で詰んでしまう。
以上を踏まえて考えると、馬を守備駒に追加して銀歩送りを2回にするやり方では、歩の消費枚数は16〜17枚が限界と予想する。
(7) 攻方持駒銀/玉方11玉, 16馬, 17金, 49馬, 51香, 52銀, 61銀 → 18枚
12歩同玉13歩同玉14歩同玉15歩同玉24銀14玉15歩同馬23銀生13玉14歩同馬22銀生12玉13歩同馬同銀成同玉31角14玉15歩同玉42角成16玉52馬同銀25銀15玉16歩同馬24銀14玉15歩同馬23銀生13玉14歩同馬22銀生12玉13歩同馬同銀成同玉31角14玉15歩同玉42角成16玉52馬同香25銀以下81手。
歩18枚消費を実現するには、このように馬をもう1枚足して銀歩送りを3回行う必要があると思われる。手元の調べだとこのメカニックの原出典は信太弘氏作(詰パラ.1999.3)。51香52銀61銀の配置は他にもいくつかバリエーションがある。
(8) 攻方34銀/玉方16玉, 17馬, 18金, 39馬, 52銀, 53成銀, 54金 → 18枚
25銀15玉16歩同馬24銀14玉15歩同馬23銀生13玉14歩同馬22銀生12玉13歩同馬同銀成同玉31角14玉15歩同玉42角成16玉17歩同玉53馬同金26銀16玉17歩同馬25銀15玉16歩同馬24銀14玉15歩同馬23銀生13玉14歩同馬22銀生12玉13歩同馬同銀成同玉31角14玉15歩同玉42角成16玉17歩同金52馬同金25銀以下85手。
(7)の馬と金が一段上がった形。この図はnono_y氏作「遺された十八使徒」(スマホ詰パラ2018.9.18)の改案として三輪勝昭氏が提示したもの。(7)と比べると玉の位置が16からのスタートで歩を消費しきれるのかぱっと見不安になるが、銀歩送りの片道距離が一段伸びていてそれを3回繰り返すので帳尻が合う理屈。
まとめ
銀歩送りにおける歩の消費枚数を類型別にまとめてみた。原理図としては(7)(8)で既に完成されているので、銀歩送り自体をメインテーマに据えて新しいものを作ろうとするのは大変と思う。馬で折り返す以外に銀歩送りの回数を増やす方法があるなら画期的。あとは銀歩送り2回だけで歩18枚消費しきる方法があるのかどうか。手元の検討では17枚が限界だった(拙作(#hhgkx2l0rj)参照)。大量に蓄えた歩を収束で処分する便利な手段なので、歩の処理方法に困ったときはぜひ。