盤面
SFEN?

将棋無双第70番に関する愚考

#pe33qzwen4
10 2024/10/16
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原作が傑作であることに疑いの余地はないものの、よくよく眺めていると疑問点もあり。原作で気になるのは以下の5点。
①57手目85銀左のところは、85銀直、95銀右、95銀直でも詰む
②71手目87金のところは、88金96玉87金の迂回手順がある
③余詰消しのための11桂
④序の連続銀捨ての意味
⑤対角線に並んだ歩に混ざる香
これらを踏まえて改変してみたのが本作です。
 
↓以下、①〜⑤に関する私見
そもそも論、現代の尺度で古典作品を評価するのはナンセンスというのは大前提。だから、もし原作が現代の作品だったらという仮想の下、話を進める。
 
まず①②はキズ扱いされると思われる。無双第70番について軽く検索してみた感じ、これらの点に関する指摘は見受けられないけど、それは時代性も考慮されてるのかな?と思う。③〜⑤は個人的な好みの問題。
 
①の手っ取り早い解決方法としては攻方76桂と96銀を入れ替えることが考えられる。ただし、単に桂と銀を入れ替えただけだと最初の65馬のときに83桂合で詰まなくなる。桂を枯らすなどの工夫が要る。
 
②については、宗看がどんな拘りでこの収束機構を採用したのかわからないけど、個人的には69手目55馬の駒取りの感触が悪く、もっと簡素化してみたい。
 
③については、11桂自体は55龍切りから23馬とする余詰筋を防ぐ意味合いだけど、龍の初期位置を69にしておけば桂を置かずともこの余詰筋は防げる。駒数の節約よりも龍を59に置くことに拘った宗看の意図はわからないけども、玉座の龍は見栄えがいいとは思う。
 
④については、初手17銀はこの一手だし、3手目26銀も他に手段らしい手段がない。4手目28玉の変化を考える余地はあるけど、こういう必然手順の効用が私にはよくわからない。銀捨ての部分は省いて、5手目29龍を初手にした方が映える気がするけどどうなんだろう?対角線に駒が並ぶ初形に拘ったんだろうか。
 
⑤は完全に見た目の好み。ただ、玉方73香は歩だと75馬から早詰する筋があるのでここを歩に代えるのは構造的に難しい。37香も歩だと初手39銀からあっさり詰んでしまうから必要な配置ではあるけど、④で書いたように初形が26玉なら37は歩で事足りるので、後の趣向が歩頭の馬鋸で一貫しててスマートな気がしてしまう。

本作は三代伊藤宗看作・将棋無双第70番の改作です。
 
創作数ヶ月のペーペーがどのツラ下げて天下の名作を語るのかという話ではありますが。馬鋸作品(#dsfdf_oduq)を作るために無双第70番を調べてみて色々と疑問が湧いたので、思い切って改変(改悪)してみました。序と収束に手を加えただけで根幹は同じなので、原作未見の方はまずはそちらをご覧下さい。
(参考) park6.wakwak.com/~k-oohasi/...
念のため予め断っておきますが、原作の批判や修正を主張するような投稿ではありません。詳細は解説にて。

    攻め方駒取り2回以上

    コメント(9)

    ありがとうございます。大変勉強になります。
     
    ④については私も改案の方が好きですね。「と金を29に移動させ、馬鋸で回収し、収束の1歩不足を補う」というナラティブを強調する意味では序4手は不要に思えます。このあたりは現代的な感覚ですかね。手数の長さや盤面の模様が重視された当時の価値観ももちろん理解できます。

    無双は玉位置に趣向があるので、
    28玉になるように逆算したのではないでしょうか。

    原図の収束はたしかに雑だけど、
    8,9筋の銀は83桂合の変化のためで、
    これを品切れで解消するのは、安直に過ぎると思う。

    Coughing @oljjuautwb
    2024/10/16 17:51
    ありがとうございます。
    参考になったのなら考えてみた甲斐がありました(^^)

    Coughing @oljjuautwb
    2024/10/16 17:54
    To: 勇気凛々 さん
    ありがとうございます。
    玉位置の趣向は知りませんでした(゚д゚)
    調べてみたら28の位置のものは70番だけなんですね。謎が解けました(^^)

    こういう試みを批判する人もいて、その気持ちも分かりますが、私は好きです。明らかに著作権切れですし。
    (音楽の世界で「モーツァルトの傑作をアレンジしました」というのはどう受け取られるのでしょう?)
     
    内容的にも無双より好きでした。もちろん無双は現代と異なる価値観・制約の中でやっているので、良し悪しは比較出来ませんけどね。
     
    一番驚いたのは、創作歴数ヶ月というところで、前作といい凄い才能だと思いました。

    Coughing @oljjuautwb
    2024/10/16 18:11
    To: 勇気凛々 さん
    桂合されたときの上手い詰まし方が思い付かず、楽な方に流れてしまいました(-_-;)
    逆に考えれば、着手非限定を回避しつつ桂合に対応できるならそういう原図になっていたとも思います。
    元々、70番の疑問点について語りたいのが主で、改変図は話のタネのついでみたいなつもりだったのでコメントいただけて嬉しいです!
    ありがとうございました!

    Coughing @oljjuautwb
    2024/10/16 18:39
    To: シナトラ さん
    ありがとうございます、励みになります。
    厳密にいうと小学生の頃の夏休みの自由研究でちょっとだけ創作したことがあるんですが、本格的に始めたのはつい最近です。
    先達の色々な名作を鑑賞しては只々感動する日々を過ごしてます(^^)

    ネタバレ
    「本格的に始めたのはつい最近」で、こうまでお考えでこの作図できるのは本当に見事で、尊敬いたします。
    現代的な観点では、品切れで桂合を防いだ事が減点事項との評価もあるにせよ、「①と②、☗5五馬が駒取りである点が解決されている」、「収束まで仕上げ切っている」事の加点が大きく上回るのではないかと、個人的には考えております。
     
    三代伊藤宗看にも当時なりにお考えでしょうから、一概にどうとは言えませんが、玉位置を2八の地点にするついでに、斜め一直線に駒を配置したかったのではないかと、推察です。

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